樹木葬のアンカレッジ代表の
「これからのお墓ガイド」

お彼岸について

今年もお彼岸の時期が近づいてまいりました。

皆さんはお彼岸というと、何が思い浮かぶでしょうか?「季節の変わり目」「ぼたもち(春)・おはぎ(秋)」「彼岸花(秋)」…。季節の移ろいと共に思い出されることの多い言葉ですが、元来は日本独特の仏教行事となります。ある調査会社によると、お彼岸は8月の旧盆に次いでお墓参りをする人が多い時期で、4割以上の人がお墓参りをするとのアンケート結果もあるようです。

それではお彼岸について見てまいりましょう。せっかくですので私の言葉ではなく、日本の伝統仏教界で公に使われている言葉でご紹介したいと思います。まずは概要について

お彼岸は、それぞれ「春分の日」と「秋分の日」をお中日(ちゅうにち)として、前後三日をあわせた七日間をいいます。お中日には太陽が真東から真西に沈み、昼と夜の長さが同じになることから、日本では、お釈迦さまの説かれた中道(偏らない考え方)を表す日、またはあの世(彼岸(ひがん))とこの世(此岸(しがん))が一番近づく日などといい伝えられています。こういったことから、お彼岸にご先祖さまや亡き人に思いを馳せ、供養をします。
(真言宗智山派「仏事がわかるリーフレット「07 お彼岸とお墓参り」」より)

ではお彼岸という言葉は、どのような意味をもつのでしょうか。

彼岸とは、「彼の岸」すなわち「悟り、涅槃の境地」を意味し、その語源は、サンスクリット語「パーラミター(波羅蜜多)」の漢訳語「到彼岸」からきています。
煩悩と迷いの世界である「此岸」から悟りの世界「彼岸」へ到達するために、「六波羅蜜」の修行を行ないます。彼岸はその修行をするための期間でもあります。
※六波羅蜜(ろくはらみつ)とは 布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧という六つの実践徳目。
(曹洞宗近畿管区教化センターホームページより)

さらに、お彼岸の由来について見ていきたいと思います。以下のような記述がみられます。

私たちが春秋に迎えるお彼岸は、それぞれ春分、秋分の日を中日としての一週間をいい、日本独特の行事です。そしてこのような形態で行われるようになったのは聖徳太子の時代からといわれています。平安時代初期から朝廷で行われ、江戸時代に年中行事化されたという歴史があります。
さらにその根拠を尋ねてみますと、前述の二河白道を説かれた善導大師の著書『観経疏(かんぎょうしょ) 』の「日想観」が源となっています。
善導大師は春分、秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈むところから、その陽の沈みゆく西方の彼方にある極楽浄土に思いを凝らすのに適していると説かれました。
お彼岸はこの日想観を行って極楽浄土を慕うことを起源とした仏事なのです。
(浄土宗ホームページより)

 

Q. お彼岸はいつから行われているのでしょうか?
A. 古くは『日本後記』の中に大同元年(806)に早良親王のために僧を集めて法要を開いたとあります。
(日蓮宗ホームページより)

 


なお、お彼岸をどのように過ごすか(以下)は、仏教界の中でも、宗派やお寺によって少し違いがあるようです。

彼岸という仏教行事をとおして私たちは、今を生きるこの私の命がご先祖から永々と伝えられて来た「命のバトン」を受けて生きているという事実を再確認し、彼岸にいらっしゃるご先祖をしのぶとともに、この私も命おえる時には彼岸での「倶会一処(くえいっしょ) 」を願い求め、「四苦八苦」の世界に埋没することなく精進してまいりますという心を堅固にすることが大切なのです。
(浄土宗ホームページより)

 

お彼岸にはお寺の法要やお墓参りに行き、亡き人へ思いをはせ、感謝のまことをささげます。
(曹洞宗近畿管区教化センターホームページより)

 

浄土真宗は、自らの力や努力で彼岸に到ろうというのではなく、自らの力や努力をあてにする計らいこそ、深い迷いであることを知らされ、我が身を突き動かすもっと大きなはたらきに目覚めさせていただく。それを彼岸に到ると説かれるわけです。
ですから、浄土真宗の彼岸会は修行の場・時ではなく、聞法(仏さまの教えを聞く)をとおして、彼岸のこころを知らせていただいていく場・時であります。あらためて何かを準備するのでなく、日常生活を営む延長線上で、お彼岸をお迎えになられればよいかと思います。
なお、彼岸にはお墓参りがなされますが、右のように考えますと、墓参りは故人の成仏を祈る追善供養でないことが知らされます。阿弥陀仏の恩徳を讃え、私を仏様の世界に導いてくださった亡き人々(=諸仏)を讃える行為として墓参りが行われるのです。
(真宗大谷派 東本願寺 真宗会館ホームページより)

 

ところで、お彼岸の中日である「春分の日」と「秋分の日」は、国民の祝日に関する法律で、それぞれ以下のように定められています。
● 春分の日 自然をたたえ、生物をいつくしむ
● 秋分の日 祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ


お彼岸の捉え方、過ごし方は人それぞれと思いますが、お彼岸をひとつのきっかけとして、皆さまがお寺にかかわったり、亡くなったご先祖や近親者に思いを馳せることは、とてもよいことだと思っています。
弊社としても、お寺の支援会社としての立場から、お寺それぞれの考え方や良さを生かした形で、今後そのようなきっかけづくりのお手伝いをさせていただきたいと願っています。

ちなみに、今年(平成31年、5月1日に改元予定)のお彼岸の日程は以下となります。
● 春 3月18日(月)~3月24日(日)
● 秋 9月20日(金)~9月26日(木)

既にご予定の決まっている方、まだこれからの方、どうか良いお彼岸をお過ごしください。

伊藤照男

伊藤照男 株式会社アンカレッジ代表取締役

2012年、浄土宗僧侶の創設した寺院支援の会社・株式会社アンカレッジに参画。
マーケティング視点から、供養を求める人、供養のための空間に着目し、支持を集める。お墓や寺院に関連する法律と行政にも精通。生活者・寺院、それぞれを対象としたセミナーを定期的に開催し、人気を博している。
1975年、北海道北見市生まれ。俳優の鈴木亮平氏に似ていると言われ、気を良くしている。

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