一歩足を踏み入れた瞬間の雰囲気が他と違う…。島津山庭苑に「一目惚れ」しました。
東京都大田区・H様
H様(左)と、墓石のデザインを考えたH様のご息女様(右)。
■花と仕事が大好きだった母
私の母は、2020年3月13日に86歳で亡くなりました。
かれこれ40年近く葛西市場で働き、生花のラッピング資材を扱う店の店長まで任されていた母は、お花が大好きで、仕事が大好きな人でした。70代を超え、80代になっても働き続ける母に、私は幾度となく「そろそろ辞めたら?店長みたいな責任重大な仕事よりも、もう年なんだから、ちょっと肩の荷を降ろしてアルバイトでちょこちょこ働けばいいじゃない?」って言ったものです。でもその度に母は、キラキラした目で「私は仕事が好きなの。責任ある仕事を任されているのが楽しいのよ。死ぬなら仕事場で死にたいわ。」と答えていました。その後、母は仕事中に転んで骨折。そのまま入院して、自宅に帰ることもなく病院で亡くなりました。
母が思い描いてた最期に限りなく近く、本望だったのではないかと思います。
■花と音楽に包まれた葬儀
店長を務めていた母の葬儀は、社葬で執り行われました。
今振り返ると、新型コロナウィルスによる最初の緊急事態宣言が出される約1ヶ月前だったのは不幸中の幸いで、葬儀が行えるギリギリのタイミングだったと思います。
葬儀には200人以上の人が参列してくださり、みなさん母の死を悼み、多くの方に「母のように慕っていました」「祖母のように慕っていました」と聞かされ、私たち家族以上に泣いてくれていて、改めて母の偉大さを思い知りました。
祭壇にはすでにたくさんのお花が飾られていました。私も母の影響を受け花屋で働いていますので、私が持参したお花もあり、会場はお花に溢れていました。
母には大好きな男性演歌歌手がいて、「音楽葬」をお願いしたところ、その方の曲をバイオリンとピアノで生演奏してくださいました。また、参列者のみなさんには、お焼香ではなく献花をしていただきました。
葬儀の最後、母はお棺の中に収まりきらないほどのお花に囲まれて、眠っているようでした。本当にお花が大好きだったので、きっと喜んでくれていると思います。
■島津山庭苑に一目惚れ
我が家にはお墓がありません。
生前母とは「樹木葬っていうものがあるらしいよ」「それってどんなお墓なの?」「お花や草木に囲まれたお墓よ」「へえ、それいいわね」って話していたことがありました。そこで私たちは、樹木葬に絞ってお墓探しをはじめました。
インターネットで調べて、家の近所にある樹木葬も見に行きましたし、アンカレッジさんの樹木葬も何箇所か見に行きました。その中でも一番最初に見た、島津山庭苑の雰囲気に魅了されました。一歩足を踏み入れた瞬間の雰囲気が、まるで他と違ったんです。参道があって、大通りから奥まっていて、大きな桜の木があって。
都心の中で、ここまで桜や緑が多いお墓って少ないと思います。何と言ったらいいのか、第一印象から、ちょっと他のお墓のイメージと違ってました。「一目惚れした」っていう言い方が近いような感じです。
あとは、交通の便が良いこと。島津山庭苑は私の自宅と職場の中間地点にあるので、毎日でも通いやすいのが決め手でした。夫の両親のお墓が富士山の近くにあります。見晴らしは良いのですが、遠くてなかなか行けないので、できるだけ近場で探したかったのです。4人で入れるところを選んで、母と私と、私の夫と、私の妹の4人で入る予定です。
墓石のデザインは、娘が考えてくれました。
上部には、母の好きだったセントポーリアとシクラメン。下の部分には色とりどりの花を咲かせるシャコバサボテンを配置し、11色も使っています。
(娘さん)
墓石を見た時、イメージを上回る出来にびっくりしました。デザイン画通りになっていて、素晴らしいものに仕上げていただいて嬉しかったです。本物の花たちに負けないような墓石にしようと思い、色をたくさん使ったので、職人さんたちも大変だったかと思います。職人さんの技術ってすごいなと思いました。
祖母は、とにかく仕事が大好き、若いもんには負けたくない精神が強い人でした。家族みんながスマホを持ち始めた頃、祖母が「私もスマホがほしい!」と言い始めて、私たちが高齢者向けのスマホを勧めたら、「絶対嫌だ!」って断って、私たちと同じものを購入して使いこなしていました。常に「若い人と同じことができるようになりたい」と言っていて、向上心があって、孫ながらずっと「すごいなあ」と尊敬していました。パソコンも、60歳過ぎから自分で本を買ってきて独学で勉強して、エクセルやワードなんかも仕事で使いこなせるようになっていて驚きました。自分だったらそこまでできないだろうなと思います。
■拍手喝采の納骨式
納骨式には、私と私の妹、妹の子どもたち、私の夫、私の息子とその家族。私の娘が参加しました。式は粛々と進められましたが、最後、母の遺骨が納骨された瞬間、突然、私の夫が「拍手〜!」と声を上げたため、みんな思わず笑顔になり、拍手喝采で締めくくられた納骨式になりました。夫は、しんみりするのが苦手な人で、以前から「笑って送りたい」と言っていました。「俺の葬儀は涙なんていらん!笑って送ってくれ!」って言うような人ですが、母の葬儀では結構泣いていました。
納骨が済んだ時はホッとしました。出来上がった墓石も、自分たちが思った以上に良かったですし、もともとお花が好きなせいもあるのでしょうけど、ここに来るとお花がいっぱいで、不思議とリラックスできますし元気をもらえます。妹も同じような感覚のようで、「ここに来ると頑張ろうって思える」って言っていました。
私と夫は週に1度お花を取り替えに来ていますが、それも近いからこそできることなので、島津山庭苑にして本当に良かったと思います。
母の会社の人もたくさんお墓参りに来てくださっていて、「駅が近くていいね」「お花がきれいね」「こんな可愛い墓石初めて見ました」「自分もぜひこういうお墓にしたい」と言ってくれます。みなさんお花関係の仕事をしているので、どうしてもお花に目が行くのでしょうね。
私が亡くなったら、子どもたちは花屋ではないのでここまでお花でいっぱいにはできないと思いますが、島津山庭苑はもともとお花が多くて明るいお墓なので、こんな素敵なお墓に入ると思うと、今は安心感でいっぱいです。