父の言葉に従い、先祖代々の墓を改葬
神奈川県横浜市・木曽様
「俺が死んだらお墓を移せ」
父の言葉に従い、先祖代々の墓を改葬。
月に2回はお参りに来ています。
道往寺 高輪庭苑との出会い
私は東京生まれの東京育ち。現在は横浜在住です。私の父は千葉県南房総市白浜町の出身で、町内の山の麓に菩提寺がありました。白浜町へは、東京から特急を使えば約2時間ですが、1日2本しかなく、バスだと3時間はかかります。それでも両親は、元気なうちは年に1〜2回はお墓参りに出かけていました。先祖代々の墓は山の中腹にあり、お参りするには急な階段を登らなければならず、高齢者には危険な場所でした。
2008年に父が2回目の脳卒中で車椅子生活になったとき、「俺が死んだら、ご先祖様も許してくれるだろうから、墓を適当な所に移せ」と言われました。私たち夫婦には子供がおらず、妹は独身です。お墓を継承する者がいないため、永代供養墓を検討し始めました。
2013年に3回目の脳卒中を起こし、「家族葬」ができる場所を探したところ、「公益社・高輪会館」を見つけました。道往寺さんが「高輪庭苑」という形で永代供養を行っていることを知ったのはそのときです。その年に道往寺さんは本堂などの建て替えをされたのですが、偶然にもその設計をしたのが高校の同級生でした。
2014年の8月に「高輪庭苑」を訪れました。私は、お墓を持つなら屋外で、お参りに来れば「ここがうちの墓だ」と分かり、そこに向かって拝めるお墓がいいと思っていました。「高輪庭苑」はお墓で10年。納骨堂で13年。その後は樹木葬という形で確実に土に返してくれるため、理想的でした。
9月に両親と私と妻と妹、5人分の生前予約をしました。その上で、千葉にあるお墓の改葬の相談をしたところ、快く受け入れてもらえることになりました。ご先祖様のお骨は納骨堂に預かってもらっており、10年後に合祀することになっています。
月に2回は足を運ぶ。高輪庭苑の魅力とは
道往寺では日曜日に写経、火曜日に「和塾」という講座があり、月に2回は来ています。「和塾」というのは、NPO法人が開催している寺子屋講座で、日本の伝統や文化などを、一流の講師が体験を交えながら提供するというもの。これまで太棹三味線や日本の化粧などの講座を受けました。 その他にも、お施餓鬼法要、お盆法要、お月見法要、お十夜法要、などがありますが、私は全部来ています。
実は、菩提寺の離檀手続きとお墓の閉眼法要を行った翌日に、父が亡くなりました。「俺が死んだら改葬しろ」と言われていたのに、死ぬ前から改葬に乗り出したため、「死期を早めてしまったのかな」と思いました。だからせめて月2回くらいは参ろうと。以前は遠くて無理でしたが、交通の便が良いというのは大きいですね。
写経は集中力が要り、難しいですが、終わった後は気持ちが良いです。何人かお友達もできました。
人間は死んだら、誰かに頼まないとお墓に入れません。でもお墓にさえ入れてもらえれば、もう誰にも迷惑をかけません。年月が経てば合祀してもらえて、親戚などに託さずとも自分の後始末が自分でできる。それが一番です。
大規模なお寺ならともかく、家族で代々守り続けてきた小さなお寺だと、無縁墓が増えてきたら困りますよね。私たちが最低限できることは、お寺にできるだけ迷惑をかけない形でお墓を作らせていただくということ。それが可能なことが、私にとっての一番の魅力でした。
地域や生活の中で、
お寺が果たせる役割を再興させていきたい。
柏 昌宏住職
「お寺に賑わいを作りたい」
子供の頃はよくお寺の境内で遊びました。境内にはお年寄りも集まっていました。でも今は葬儀や法要の時くらいしかお寺に行きません。だから布教活動より先に、まずは「お寺ってこんなところなんだ」ということを知らせることが先決だと考えました。仏教と関係なくても、お寺として意義があり、かつ楽しそうなことをどんどん発信していけば、だんだんお寺の認知が高まるのではないかと。だから「和塾」による寺子屋講座以外にも、管理者や新人に向けた企業研修や、若い僧侶と一般女性をマッチングさせる婚活イベントなども企画しています。お寺を悲しみの場だけでなく、縁結びの場にしていきたい。すでに何組かカップルは成立していますが、結婚式はまだできていないので、いつか実現できればと考えています。
本寺院は駅から近く、交通の便が良い上、とても心地良い空間となっています。この辺りは都心の割には緑が多く、とても静かな環境です。
落ち着いた雰囲気の建物からは、夜になると月が綺麗に見えます。そのため、秋にはお月見法要を行い、法要後はクラッシックコンサートを開いています。音響設備も良いんですよ。
「高輪庭苑」は、継承する必要がなく、誰もが地に着いてゆっくり休めるようなお墓にしようと考えて作りました。本堂を建て替え、「高輪庭苑」を新設するにあたり、一番重視したのは「お寺に賑わいを作りたい」ということです。お葬式の時しか人が来ない場所のままでは寂しいですし、勿体無いと思いませんか。
木曽様
お墓購入にまつわる思い出の品は、浄土宗の仏様が納められるお守りと、菩提寺にあった先祖代々のお墓の写真です。お墓の左右にあった大きな石がベンチになって、今も菩提寺で役に立っています。お守りは、閉眼供養後、開眼供養までの約2ヶ月間、骨壷を自宅に置いていたのですが、仏壇がなかったので用意しました。
柏住職と初めてお会いしたのは父が亡くなった日です。本堂で立派な仏様に見守られて枕経をあげていただきました。通夜も葬儀も大変良い式でした。
以降、住職とは写経と和塾で月に2回はお会いしています。道往寺のフェイスブックも欠かさず見ていますよ。
柏住職
木曽さんはアドバイザーのような存在。いつも貴重な意見をいただいています。
今、アラビア語を勉強されているんですよね?常に前向きでチャレンジャーなところは見習いたいです。
道往寺では今後も面白いイベントを企画していきたいと考えていますので、末長くおつきあいいただけたらと思います。