1人娘に負担のかからない永代供養墓を
千葉県柏市・磯野あい様・磯野ゆみ子様(お母様)
樹木葬で永代供養してもらえるお墓
ここに来た途端、明るくて、緑がいっぱいで、お花もきれいで…。
その日のうちに決めました。
車の運転中に脳出血を発症した父
あい様
父は、めったに怒ることのない穏やかな人でした。仕事は45年間、車の板金塗装一筋で、帰宅すると日本酒やビール、焼酎で一杯やるのを楽しみにしていました。休みの日は仲間とゴルフやカラオケ、ボーリングをするなど、アクティブに過ごしていました。
ところが、2011年のある日突然、脳出血を発症しました。
父は、仕事場まで車で通っていたのですが、帰りの車の運転中に脳出血を起こし、救急車で運ばれたのです。それから6年間、植物状態になってしまい、そのまま回復することなく亡くなってしまいました。
お母様
救急隊の方から電話があったときはびっくりしました。偶然にも告げられた搬送先が、娘が勤めている病院だったので、「今、お父さんが運ばれてくるから待ってて」って、急いで電話しました。
あい様
ちょうど勤務が終わって、帰ろうとしていたところに母から電話がありました。
父とはもう、亡くなるまで話をすることもできませんでした。とてもショックでしたが、闘病した6年の間に気持ちの整理がついたように思います。そのまますぐに亡くなっていたら、もっとショックが大きくて、パニックになってしまっていたと思います。
父が植物状態になってしまったという現実を受け入れるのに、2年くらいかかりました。そこからようやく、「父の最期を迎えるために準備をしよう」と考え始められたので、私にとって必要な6年だったように思います。
お母様
主人が脳出血を起こしたのは運転中でしたが、ズキッと痛みがあったとか、おそらく何らかの症状があったのだと思います。だから主人は自分で車を止めることができました。事故にならなかったことがせめてもの救いです。
樹木葬で永代供養してもらえるお墓を
あい様
父が亡くなったことをきっかけに、お墓を探し始めました。私は離婚して、両親と暮らしていました。子どもが1人いるのですが、女の子なので、お嫁に行ったらお墓を継いでくれる人がいなくなるということを考えて、永代供養していただけるところを探しました。
インターネットを使って、家の近くで樹木葬のお墓を探したところ、4ヶ所が候補に上がりました。3ヶ所のお墓を見て回ったあと、最後にここを訪れたのですが、ひと目見た瞬間、「ここにしよう!」って思いました。
お母様
樹木葬にこだわりがあったわけではないですが、昔ながらの大きな石を立てるお墓は嫌だなあと思っていたんです。
ここは他の3ヶ所とは全然違っていました。他のところは、人様のお墓をまたいで自分の家のお墓まで行かなければならなかったり、奥の方までは入って行けなくて、遠くからお参りするようなお墓でした。でもここは人様のお墓をまたいだりしなくても自分の家のお墓に行けます。墓標の目の前でしっかり手を合わせられるところがポイントでした。
あい様
3ヶ所回ってもずっと納得が行かなくて、母と二人で「どうしようどうしよう」って困っていました。「最後にもう1ヶ所調べてあるから、寄ってから帰ろうか」って言って、ここに来た途端、明るくて、緑がいっぱいで、お花もきれいで…。その日のうちに決めました。
購入して1年ちょっと。月に1回はお参りに来ていますが、来る度に癒やされるんですよ。お墓で心が癒やされるとは思っていませんでした。
お参りに来ると、父に「いつも見守っていてくれてありがとう」と話しかけています。
お母様
我が家には「さくら」という名前の柴犬がいるんですが、ペットも一緒に入れるというところが、ここに決めたもうひとつの理由なんです。
墓石の色も、墓標に何を刻むかも自由に決められたので、主人が好きだったゴルフとお酒、私は和裁をやっていたので着物、娘は看護師なので聴診器と体温計、孫はピアノ、そして「さくら」の顔を彫ってもらいました。
あい様
この花は桃の花です。私の娘の「ももは」という名前にちなんで、桃の花を彫って、桃色を入れてもらいました。もしもお嫁に行かなかったらここに一緒に入ればいいと思っています。
お母様
ここは、最後の1人が入ってから7年後に永代供養してもらえるので、そのことも気持ち的に負担がなくて良かったです。
お墓づくりにおける一番のこだわりは、
「すべての方にちょうど良いものを提供するにはどうしたらいいか」ということを考えたということ
大隅 智弘住職
「檀家にならなくても法要をやっていただける」
私は住職を30年ほどやってきましたが、日本のお墓文化は、宗教性がベースにあるという問題があります。お墓を購入するにあたり、宗教的負担がかかりたくないという方。一方で、この機会にお寺とご縁ができて良かったという方。大きくは2種類の方がいます。
さらに、お墓の永続性についての問題があります。お墓を守っていくことやお寺の檀家になることが負担だという方がいる一方で、やはり昔ながらの先祖代々のお墓がいいという方もいます。
「すべての方にちょうど良いものを提供するにはどうしたらいいか」ということを考えたというのが、お墓づくりにおける私の一番のこだわりかもしれません。
宗教関係なく入れるお墓を探している方、後継ぎの問題で悩んでいる方、いろいろな方がいるので、すべてを満たすということは難しい。しかしなるべく多くの方に、上手く提供できるように考えました。
お母様
私は、樹木葬という言葉自体はちょっと前から知っていましたが、樹の下にお骨をそのまま埋めてしまうのは避けたかったんです。みんなと一緒ではなく個別で、何年か経ったら合祀するシステムが良いと思っていました。
そういう意味でもここはイメージにぴったりでした。自宅から車で20分くらいなので気軽に来られますし、去年よりすごくお花が増えていますよね。来る度にお花が増えていくので、来るのが楽しみになります。
大隅住職
ご主人は車の塗装をされていたのですか。実はうちはもともと金属塗装会社だったんですよ。
常信寺松戸庭苑を境内に収める證誠院は、漆塗り職人だった私の曾祖父が財を成したので、東京の麹町から移転再建で、一気建立で復興させたお寺なんです。だから会社を引き上げるときに回収した塗装用のエアガンがたくさんあります。
お母様
ご縁でしょうかね。
これは主人の会社の方が磨いてくださった、主人が使っていたエアガンです。形見として仏壇に飾っています。主人はお酒の好きな人でしたから、今でも仏壇にはお酒を切らさないようにしているんですよ。
大隅住職
供養という言葉の本当の意味を知っていますか。もとは進供資養という四文字熟語で、略して供養。本来は「ご飯食べさせる」とか、「ご馳走する」という意味で、「亡くなった人とも一緒に食事をしましょうね」という主旨なのです。
うちの檀家さんでも、栃木や群馬出身の方は、お墓参りや法事でお線香をあげた後、お供えしてある団子を1個自分の口に入れますが、これは「一緒に食事をしましたよ」という意味になります。
だからお酒は仏壇に供えるだけでなく、ぜひ一緒に飲んであげてください。庭苑の隣の芝生でピクニックがてらお弁当を食べてもらっても構いませんよ。きっとご主人も喜ばれるでしょう。