樹木葬Blog

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墓じまい ―― 現状回復の費用は? 離檀料とは?


●お墓を遺さない、という選択

お正月、お盆、お彼岸と年に数回訪れる「お墓参りの時期」。もちろんそれ以外の時期にもお墓参りしていただくのが喜ばしいことではありますが、皆様は年に何回お墓参りに行かれているでしょうか?
遠方にお墓があると、お参りに行くのも一苦労、田舎の方に人が住まなくなったら誰がお墓を管理していくのか……と、ふと悩みが頭をもたげた方も多いのではないでしょうか。

墓じまいの件数は年々増加しており、大阪のとある霊園では、年間の新規申込が30件であったのに対し、墓じまいがその10倍近い280件を超えたそうです。
石材業界団体の行ったアンケートによると、墓じまいの理由の約6割が『承継者がいない』というもので、『お墓が遠い』という理由も2割近くに上るというデータもあります。また他にも『承継者はいるが、負担を掛けたくない』という理由も挙げられており、少子化・核家族化や、地方から都市部への移住が進む中で、これも今後増加が予想されます。

代々受け継がれているお墓を潰す事はご先祖様に対して不敬だ、と思われる方はまだまだ多いですが、現実的に管理が困難になっている(あるいは困難になると予想される)ことを考慮すれば、墓じまいも止む無しという時代になってきているのでしょう。

誤解して欲しくないのが、「墓じまい=お骨を捨てる」ではない、ということ。多くの場合、墓じまいと同時に改葬をして、別のお墓を用意されています。

ではその改葬先のお墓はどうするか? という検討のなかで、選択肢として近年上位に上がるものの一つが「樹木葬」や「永代供養墓(合同墓)」です。細かいシステムは墓苑によってさまざまですが、継承者を必要としない点ではほぼ共通しています。
従来のかたちに捉われない、今の時代に即したお墓の一つとして受け入れられてきています。

墓じまいされるお墓


●適切な墓じまいの必要性

以前、福井県福井市の市が管理する墓地で、約2000区画について使用者や使用状況を把握できていない、つまり「無縁墓」の状態であることがニュースになりました。また、厚生労働省が2023年に実施した調査によると、公営墓地がある全国765市町村のうち、1区画以上の無縁墓を有する墓地は約6割にのぼったそうです。
こういった状況は、自治体の運営する公営墓地に限らず、寺院墓地でも同様の傾向にあると思われます。

無縁墓となってしまえば、ご先祖様はいわゆる「無縁仏」となり、供養されず打ち捨てられているのと変わらない失礼な状況であることを意味します。

さらに現実的なことをいえば、無縁墓の増加には、放置された墓石の倒壊の危険や、雑草の繁茂により墓域の環境が乱されるといった懸念があり、また所定の管理料を納めていないとなれば、不当に区画を占拠していることにもなります。その為、長期にわたり使用者不明の状態が続けば、自治体やお寺が墓を撤去する必要が生じます。
一部自治体では、墓じまい促進を目的とした補助金制度を設けているところもあり、それが功を奏してか、この10年間での無縁墓改葬件数は微減の傾向にあるようです。しかし、今後無縁墓の増加が進めば、墓地管理者の費用負担は増加する一方です。

こういった事態を防ぐ為にも、承継者の変更の届出はもちろん、お墓を管理できなくなった場合には適切に改葬・墓じまいを行うことが必要です。


●墓じまいには「原状回復」が必要

実際に墓じまいをするには、「改葬手続き」「ご遺骨の移動先の決定」「墓石の解体撤去」の大きく3つの作業が必要になります。改葬の手続きについては以前の記事( 改葬 ―― お墓の引っ越しについて )でもお伝えしましたが、費用的な負担がかかる点で悩ましくもあるのが「墓石の解体撤去」、つまりご遺骨を引き上げた後のお墓の後始末です。
一般的に“お墓を買う”と表現しますが、実際には使用権を購入しているだけであり、土地自体が使用者の所有になる訳ではありません。その為、使用をやめる時には墓石を撤去して原状回復させた上で、管理者(自治体やお寺)に返す必要があります。

解体撤去作業は石材店にお願いすることになりますが、その際の費用の目安は、お墓を更地に戻すだけなら1㎡あたり10~20万円、1坪(約3.3㎡)の墓地であれば30万~50万円程度と言われています(石材店によって異なります)。ご自分で複数の石材店に見積もりを出してもらって決める事も可能ですが、墓地の管理者になじみの石材店を紹介していただいた方が、その霊園の勝手が分かっている分、作業がスムーズに進められる利点もありますので、一度管理者に相談をしてみると良いでしょう。


墓じまいの費用


●離檀料は要るのか

お寺の檀家としてお墓を使用されていた場合、墓じまいとともにお寺の檀家ではなくなる(離檀する)ことになります。その際にお寺に離壇料をお納めすることをまま耳にしますが、契約書に書かれている場合を除き、離壇料の支払いは義務ではありませんし、離檀料は要らないというお寺も多くあります。しかし、お世話になったお礼の気持ちとしていくばくかを包んだり、お寺から金額を明示されることもあるようです。金額の相場もまちまちで、3万円~数百万円と幅広くなっています。

明確な目安というのがなく(だからこそ墓じまいを検討している方にとっては悩ましい部分とは思いますが)、お付き合いの長さや地域の慣例によってのご判断となりますが、それまでの仏縁に感謝し、気持ち良く離壇が出来るようにしていただきたいと思います。

**「アンカレッジの樹木葬」の場合**
檀家ではなく「信徒」に準じる扱いとなり、万一契約解除となった場合でも、離檀料はかかりません。
不安な方は、スタッフやお寺の方にご相談ください。

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