ペットと一緒のお墓 ―― 需要と供給の差
増加するペット飼育数とペットの “家族化”
犬と猫の飼育数の合計が15歳未満の子供の数を超えたと言われたのが2003年のこと。昨年(2018年)の調査では、ペットの飼育数は犬と猫を合わせて約1850万頭、子供の数が約1500万人となっており、15年が経った2018年時点でもペットの優勢は安定しています。また、コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えたことをきっかけにペットを飼い始めた方もおり、今後もこの傾向は続くと思われます。
さらに近年の傾向として、以前よりも強くペットを “家族の一員” として見做すようになったことは、多くの方が感じていることと思います。その要因にはペットの室内飼いが増えたことなどがあると思われますが、中には「実の(人間の)子供よりも可愛いし離れたくない」とおっしゃる方もいるあたり、”最期まで自分と一緒に過ごしてくれる存在” であることも大きく影響していると思われます。
それに伴い、自分が亡くなった後もペットと一緒に過ごせるお墓を希望する方が増加するのも、当然の流れといえます。
実際、ペットの火葬・葬儀ができる霊園を探せるWebサイト『メモリアルなび』(2023年1月に「イオンのペット葬」に統合)が行った調査によると、ペットを飼われている方を対象にしたアンケートでは、死後ペットと一緒のお墓に入りたいと希望する方の数は約7割に達しています。
「ペット一緒のお墓」の供給が足りていない現実
一方で、同アンケートにおいて、この3年間でペットを亡くされた方のうち、ペットが亡くなった際に自分の墓にペットを埋葬できた方の割合はたったの6%という数字もあり、多くの方が希望通りにはなっていないことが伺えます。
その理由の一つが、人とペットが一緒に入れるお墓の数が少ないという点にあります。お墓探しのポータルサイト『いいお墓』に掲載されている数でいえば、8000件以上登録されている墓地・霊園のうち、人とペットが一緒に入れるお墓を備えているものは全体の5%足らず。都道府県によっては1つもないところもあります。(2020年3月現在)
また、そのうち同じ一つのお墓の中に一緒に埋葬できるものは100件を超えず、”ペットと一緒”とうたっているお墓の多くが、実際には同じ敷地内ではあっても別のお墓に入れるタイプです。
ペットと同じ墓に入れないからといって、従来の代々墓の墓じまいをしたり、自分だけ他のお墓に入ったりというのも簡単には出来るものではありませんが、少しでも多くの方の希望が叶えられるよう、一緒に入れるお墓の増加が期待されます。
こういった状況のなかで、「アンカレッジの樹木葬」では寺院様のご理解をいただき、ペットと人とが同じ区画に入れるお墓を提供しています(一部寺院を除く・詳しくは アンカレッジの樹木葬ーペットと一緒に入れるお墓13選 特設Webサイト )。ペットを家族のように大切に想う方が、安心してペットとの人生を過ごしていけるよう願っています。