終活③ —— おひとりさま、単身者の死後のこと
**終活① ――「終活」が必要になった理由 終活② ―― 終活=死ぬための準備‥だけではない! もご覧ください**
自分の骨は誰がお墓に入れてくれるのか?
日本の生涯未婚率は上昇傾向を辿る一方で、2020年の国勢調査によると、50歳男性の28.25%、女性の17.85%、平均して約4人に1人が未婚という結果が出ています。
また、国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査によると、妻の年齢 45~49 歳の夫婦における無子率(≒生涯無子率)が9.9%。1997年の同調査では3.3%であったことと比較して、実に3倍に増加しています。
私たちがご案内している「アンカレッジの樹木葬」「アンカレッジの合同墓」にも、未婚・独身の方や子どものいないご夫婦が多く見学にお越しになっており、そういった方のほうが、お子様のいる方々よりも比較的若いご年齢でお墓の検討を始めている印象もあります。
その動機はやはり
「自分が亡くなった後のお墓の手配や管理を任せられる人がいない」
「任せられる人がいなくはないが、気軽に任せられる近親者はいない」
という状況によるものです。
アンカレッジのご案内するお墓は先々でお墓を継ぐ方が要らない永代供養墓であることから、近しい親族がいない方にも適したお墓なのです。
しかし、お墓自体は生前に契約することもできるのでまだ良しとして、子どものいない方の多くが懸念されているのが、「自分(たち)が亡くなった後に、誰が火葬の手配や埋葬を行ってくれるのか」という点です。
独居の方が亡くなった場合の埋葬の流れ
独居の方が亡くなった場合、ご遺体は警察管轄の施設や提携葬儀社で一旦安置され、次のような扱いになります。
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①自治体(市区町村)で戸籍を元に親族を探してご遺体の引き取りを依頼
法定相続人を順に追っていき、引き取りと火葬・埋葬を電話や書面で依頼します。
引き取り承諾の返答があればその方にご遺体が引き渡され、それまでの安置費用の支払い、葬儀や火葬の手配、埋葬などは全て引き取った方が行います。
親族が引き取りを拒否するケースもあり、場合によっては、故人の知人や入居施設が引き受けてくださることもあります。
②縁故知人の引き取り手が見つからなかった場合には、自治体が火葬・埋葬を実施
一般的には火葬のみ(直葬)で、葬儀等のセレモニー的なものはありません。
また、お墓は自治体が委託している霊園の無縁墓に納骨されることが多いようです。
費用は自治体が立替えますが、故人の財産があればそこから充当、財産がなければ自治体負担となります。
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上記いずれにせよ、無事お墓に入るまでに場合によっては数カ月~1年の時間を要し、思いがけない方に時間的・金銭的負担をかけてしまう可能性があります。
また、自分が望んだ葬送がされず、せっかくお墓を生前に用意したとしても、そこに埋葬してもらえない可能性すらありえます。
注意すべきは、 “独居となるのは未婚者に限らない” という点です。例え既婚者であっても、夫婦で同時に亡くなりでもしない限りどちらかが最終的には独身となり、自分の死後のことを誰かに手配してもらう必要が出てきます。
お子様と同居、あるいは頻繁に連絡を取り合う仲であれば大きな問題は発生しないと思われますが、疎遠になっていたり、何らかの事情で戸籍を辿れなかった場合には、お子様に連絡が行かないこともあり得るので、親族等に確実に連絡がいくように備えておく必要があります。
死後の不安を解消する為の「死後事務委任」
そのような事態になることに不安を感じる方に向けて、『事後事務委任』というものがあります。
死後事務委任とは、本人が亡くなった後に、死亡届の提出や葬儀の手配、公共料金や年金などの諸手続きを、本人に代わって受任者が行うことを約束する契約です。
生前中に自分の意思を託しておくことで、受任者がスムーズに諸手続きを行えるのはもちろん、本来は関われない自分の死後について、自分の望む通りのアレンジができる(なおかつ、それを法的効力のもとで実行を約束してもらえる)という安心が得られます。
委任相手(受任者)は、親族や知人でもなれますが、委任できる相手がいない場合には司法書士や行政書士、弁護士などの専門家に依頼することもでき、身寄りのない方にとっての需要が今後増えると予想されます。
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アンカレッジでは2023年に(一社)ハッピーエンディング協会 と提携し、死後事務委任を含めた終活全般のフォローができる体制を整えています(2024年5月時点で関東エリア限定)。
お墓探しの際、庭苑スタッフへご相談ください。
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