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樹木葬があるお寺さんに聞いてみた -お墓の開眼法要ってなに??-

◆樹木葬墓地 本立寺島津山庭苑 開眼法要

都営浅草線高輪台駅からほど近く、島津山の地に400年の歴史を持つ日蓮宗本立寺では、2019年からお寺の中に樹木葬を作り、皆さんに提供を始めました。

それから5年、皆様からのご好評に応えるかたちで第3期区画が開苑し、3月29日の午後、島津山庭苑新区画の開眼法要(かいげんほうよう)が、本立寺の副住職である中島岳大(なかじまがくだい)導師によって執り行われました。

実はこの日、午前中は強風と大雨の悪天候でした。参加者は開眼法要はどうなるかと心配をしていましたが、なんと予定時間の1時間前に雨がやみ、開始時刻には青空が広がったのでした。

今回は、中島副住職にお話を聞きながら、墓地を開く時の儀式、お寺の中にある樹木葬についてご紹介したいと思います。

 

◆樹木葬墓地の開眼法要

さて、冒頭ご紹介した開眼法要。どういったものかご存知でしょうか。

ネット検索をしてみると…

開眼法要とは、新しく作られた仏像や仏壇、位牌、墓などの完成の際に営まれる法要です。開眼供養、入魂式、魂入れとも呼ばれます。古来、仏像を作るときに、目を描きこむことで仏像に魂が入り完成としたことが儀式化し、仏像だけではなくお墓や仏壇、位牌を新たに購入した時に執り行われるようになりました。…といった解説がされています。

 

中島副住職にお話を聞いてみました。

「開眼法要は、その対象のお墓やお位牌などが本来のお役目を果たせるようにするための儀式、法要で、供養の一種です依り代だったり、誰かにとっての祈りの対象であったり、イメージとしては、ダルマに目を入れるように、最後の仕上げと考えるとよいかもしれません。これにより、皆さんはお位牌やお墓に対して安心して手を合わせることができるようになります。」

 

「少し大きなくくりになりますが、船であれば「進水式」、建物であれば「竣工式」、人であれば「入学式、入社式、成人式」お正月も大晦日もあわせて、日本人は節目、けじめを大切にする民族と思います。少なくとも完成して終わり!という考え方ではないですよね。開眼も性質は似ていて開眼式をくぐってはじめてお墓に火が灯るイメージでしょうか。」

 

開眼法要で読まれるお経は、基本の部分は決まっていますが、さらにその時の目的・趣旨に合わせて独自に読経するお経を追加していくとのこと。今回の樹木葬第3期開眼法要では、7種類のお経を読まれたとのことでした。

通常の読経と比べ、歌っているようなお経の読み方だなと感じていましたが、お経を読んだ力を広い墓地に行き渡らせるために、声明(しょうみょう)という特別な唱え方をされているそうです。(中島副住職は日蓮宗声明師)

 

 

◆お寺の中にある樹木葬

中島副住職は本立寺での樹木葬導入決定から、これまでの区画拡張や墓地の申込者対応など、お寺の中で樹木葬を主導されてきました。この節目のタイミングで、お寺の中にある樹木葬の特徴、また、樹木葬や法要についてなど、お考えやお気持ちを伺ってみました。

「今、樹木葬というと、お寺が経営するもの以外にも、霊園タイプのものや、自治体が運営される墓地にも多く見られます。その中で、お寺にある樹木葬を選ぶ方は、お墓に対して、遺族のご遺骨を納める場所、というだけでなく、亡くなった方のことを生前と同じように大切にしたい、つらかった闘病生活から解放され、開放的で、心地よい空間で思い切り安らいでほしい、そのような思いが伝わってきます。

もちろん、埋葬だけでいいとお考えの方もいらっしゃいますが、何かお寺や島津山の場所に縁を感じるものがあり、さらには仏様とご縁があるからこそ本立寺の樹木葬を選ばれたのかと思っています。
島津山庭苑に埋葬される際、いい機会だからと同時に法要をされ、お気持ちに良い変化が起こったのか、以降法事を欠かさなくなる方が多いのも樹木葬を申し込まれる方の特徴かもしれません。

 開苑以来の5年間、1期、2期と拡張をするなかで多くの新しいご縁をいただき様々な知見も増えました。樹木葬は宗教宗派不問でお申し込みを受け付けますので、無宗教、無宗派の方、また、神道やキリスト教の方と、色々な方がいらっしゃいます。
お申込をされる方とは全員ご面談の場を設けており、ご遺族のお話や想いを聴き、故人やご遺族にとって一番いいかたちでの弔い、供養は何かと、従来の慣習にとらわれず模索することで、あらゆる対応ができるようになってきました。

 

 私は、”もしその方がそこにいたら” を一つの基準に考えています。

故人様がそこにいたら今どのようにされたいだろう、ご遺族は故人様がそこにいたらどんなことをされたいだろう。

そういったことを想像しながら法要を執り行って参ります。

 

 

すると法要をした方の肩の荷が下り、表情も明るく、スッキリと変わる事があります。お寺を後にする姿をお見送りすることが最高の瞬間でもあります。
このような経験が私にとっても嬉しく、力になるものでもあります。

 私の考えで、島津山庭苑に埋葬されているご遺骨は、すべてお経を上げるようにしています。
したがって島津山庭苑にはお経を聞いたことがないというお骨はありません。埋葬された後もお寺とのご縁が繋がっているのですから孤独になることはありません。
安心して大切な方を託していただければと思いますし、これからもまた新しいご縁があることを、楽しみにしています。」

 

開眼法要から始まり、樹木葬を運営されるお寺の方の考え、法要・供養に対する想いに触れることができ、大変勉強になりました。中島副住職ありがとうございました。

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