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LGBTカップルが一緒のお墓に入れるように

**アンカレッジとLGBT の記事もご覧ください**

現在の日本では同性同士の婚姻は認められていませんが、近年、各自治体で「パートナーシップ宣誓制度(※)」が導入され始めています。
この制度は、自治体に申請することで、同性同士のカップルを婚姻に相当する関係と認め証明書を発行してもらえるものです。この証明書によって、病院での付き添いや民間企業の各種サービスにおいて、家族と同等の扱いを受けることができる場面が増えるというメリットがあります。

LGBTの方は住居を借りる事すら嫌厭されることもあるそうで、それでなくとも地域社会や職場において理解を得られず日常に苦労することは、多く方の想像に難くないと思います。
しかし見落とされがちなのが、いわば「死後の住まい」であるお墓です。
現行の墓地の使用に関する法律や、多くの墓地管理者が参考としている厚生労働省による「墓地使用に関する標準契約約款」では、同性カップルの埋葬を前提としていない (※「禁止」しているのではなく、「想定」をしていません) 為に、一緒のお墓に入ることを断られるケースが起きています。
これはいわゆる「差別意識」に由来するものだけでなく、墓地管理者側に知識がない為に「どう対応したらよいのか分からない」というのも大きな要因と思われます。

では実際にLGBTカップルが一緒のお墓に入ることを想定した場合に、どのような手続きを踏むのが望ましいのか、ですが、アンカレッジで作成した「LGBTカップルと墓地管理者の為ガイドライン」では以下の通り勧めています。

①墓地使用に関する規定内で、埋蔵対象者に「当該使用者を祭祀主宰者と指定した者」を加える
②「祭祀主宰者の指定について」(書式例はガイドラインに添付) をLGBTカップルの2人ともに作成させ、お互いを祭祀主宰者に指定する

これにより、LGBTカップルのご遺骨の管理について(ご親族遺族が事前にカミングアウトを受けていなかった場合などでも)当事者たちの意思が尊重されることとなります。

繰り返しになりますが、LGBTカップルが一緒のお墓に眠ることが法律で規定・禁止されているわけではありませんので、同性カップルであるからという理由で、何らかの法律上決められた手続きが新たに発生するものではありません。上記の手続きは、後々ご親族遺族とのトラブルが発生することを出来るだけ避け、墓地管理者が安心してLGBTカップルを受け入れられるようにする為のものです。
多くのお寺が当ガイドラインをきっかけにLGBTへの理解を深め、また受け入れる姿勢を積極的に示すことで、LGBTカップルのお墓選びに新しい道が開けることを願います。

墓苑管理者がLGBTカップルを受け入れる為に必要なこと

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