本当に土に還るのか? ―――墳墓内の構造的に
樹木葬、と一口で言っても、埋葬の仕方は墓地によって様々です。
ご遺骨と土の接触具合から埋葬の仕方を大まかに分類しますと、以下のようになります。
①ご遺骨を直接土中に埋める
②ご遺骨を骨壺や布袋などに入れた状態で、土中に埋める
③ご遺骨を骨壺や布袋などに入れた状態で(あるいはそれらに入れず直接)、
コンクリートや石材で作られた納骨室(カロート)に納める
②はお骨と土との間を隔てる物がある分、①に比べて土との接触度が低くなりますが、②で使用する骨壺や布袋は、土中に埋めると分解されて土に還りやすい素材が使われることが多く、やがては①と同じ状態になると考えられます。
一方、③は納骨室に隔てられている為、そのままではお骨が土に還る事はありません。
但し、③のような埋葬の仕方であっても、一定年数が経過した後で、①や②の方法のように土に触れる状態に埋葬し直す仕組みの墓地もあります(上京庭苑はこの方式です)。
実は”自然に還る”というのを意識して樹木葬を選んだからと言って、そういった方々が必ずしもすぐに土と同化するのを望んではいない事も多いのです。
これはお墓に入られる方のご意向もありますが、ご遺族のお気持ちが影響する事が多いようです。近しい人が亡くなられた後、まだ記憶が鮮明な間は、個人として区別された状態でお参りをしたい、というものです。
どの方法が樹木葬として相応しいかどうかではなく、逝く方、遺される方、それぞれの心情に寄り添った選択が出来るよう、様々なタイプのお墓をご検討する事をおすすめいたします。